白地に黒のフリーハンドの幾何学模様は、一見 白布に黒の染液で模様を描いているだけのように思われますが、
実際には、まず茶色の染液でデザインを描き、その上に泥を布全面に塗りつけ、タンニンを含む茶色のデザイン部分と泥の鉄分が結合することでデザインの部分のみが黒く発色しています。
細い線までが一瞬で黒く染まるということは、アマゾンの泥にはとても強い鉄分を含んでいるからだと思われ、また樹皮の染料のタンニン色素の濃度によっても黒の色は深く変化するのです。
樹液を煮出して濃縮させた染液で模様を描きます。
染液で描いた模様が、泥の鉄分に反応して一瞬で変化するのが分かります。
泥を水に溶いたバケツに、茶の染液で模様を描いた布を漬け込みます。
泥の鉄分の濃度にもよりますが、模様がはっきりと黒に染まります。
絶対にムラがないように、丁寧に広げて隅々まで泥を塗りつけます。
ブラシを使ってゴシゴシと手早くしっかりと泥を落とします。
たっぷりの流水で十分に洗い流さないと泥の粒子が残ってしまいます。
白の場合は特に太陽が必要なわけではありませんが、広げて干して乾かします。
完成後はアイロンをしっかりかけてもよし、シワ感も素敵です。